一暴十寒 <努力して怠けたい>

32歳男の日々の記録

葬儀の清め塩は必要か。

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葬儀を終えて自宅に帰ってきたときに家に入る前に身体に塩をまく光景を一度は目にされたことがあるのではないでしょうか。なぜ塩を使うのか?多くの人が身を清めるためだと口にします。清める??一体葬儀に行くことにより何か清めなければいけないことが起こったのか?と子どもながらに疑問に思ったことを思い出しました。葬儀の際に使用する【清め塩】について触れていきたいと思います。

【清め塩は必要なのか?】

結論から申しますと宗教によって必要でもあり不必要でもあります。

清め塩を必要とする宗教は【神道】の場合です。神様を信仰し葬儀の際は神社の神主さんが来て葬場祭(仏教でいうところの葬儀)をおこないます。

神道の考えでは、死を穢れと捉えるために塩を用いて清める際に必要となります。更に穢れを寄せ付けないために結界をはります。

 

その反面、塩を不必要と考えているのが【仏教】です。仏教の考えは死後、各宗派(浄土宗・浄土真宗・曹洞宗・真言宗・日蓮宗・天台宗など)プロセスは違えど、仏になることを教えとしています。よく浄土真宗は塩を使ってはいけないと言われていますが決して浄土真宗だけが使ってはいけないのではなく、仏教において清め塩は不必要だと考えて良いと思います。実際に私が勤めていた葬儀会社にはその地域の仏教会(色んな宗派の住職さんが所属する会)から清め塩は必要ないという文章が配られていました。

 

仏教において塩を使って何を清めるのか?

よくよく考えると清める対象物が見当たりません。亡くなったかたは仏となるために修行をしたり49日の旅をしたりします(浄土真宗では亡くなった瞬間に仏となる即得往生)。いずれにしても仏教においてまずもって仏様を清める必要がありません。むしろ穢れとして清めてはいけません。

 

亡くなったからといって清めるのは寂しい気が……

神道的、仏教的には思想のもとでの解釈になってしまいますが、よくよく考えてみると生きているときには母よ、父よと慕っていた大切な家族が亡くなった瞬間に穢れてしまい、忌み嫌い、清めなければならないのでしょうか?非常に疑問です。

清め塩と同じ解釈の風習として、火葬場に行くときは行きと帰りの道を別にしないといけない。親より子が先に亡くなってしまった場合は亡くなった子どもの両親は火葬場へは行ってはいけないなどなど……。我が子との最後の別れが出来ないのは寂しいです。

 

話が逸れてしまいましたが…… 葬儀の清め塩は【神道】では必要であり【仏教】では不必要だと言うことを是非覚えていただきたい。もし清め塩を使っている人がいたら、何を清めているのか?訪ねてみてほしい。