一暴十寒 <努力して怠けたい>

32歳男の日々の記録

葬儀の際に寸志(心付け)は必要か?

f:id:takusanboyz:20180912003300p:plain

「本日はよろしくお願い致します」「これで骨がしっかりと残るようにお願い致します」そんな事を言いながら葬儀の際にお金を包んで葬儀会社のスタッフ、霊柩車の運転手、バスの運転手、火葬場の職員などにお金を渡す風習が昔から続いています。元葬儀社のスタッフの立場から言わせて貰いますと、「こんな風習完全に無くすべきだ」と声を大にして言いたい。過去の経験からこう考えます。

 

なぜ寸志(心付け)が不必要と考えるか?

 

・寸志(心付け)を渡してもなんら変わらない

今まで何度も聞いてきましたが、霊柩車の運転手やバスの運転手に寸志を渡して「これで無事火葬場まで送り届けてください」「安全運転でお願い致します」などなど渡すときの言葉はさまざまでしたが、いずれにしてもお金を渡したからといって何か変わるのか?といつも思っていました。バスの運転手も霊柩車の運転手もそれが仕事であり、霊柩車の運転手も、バスの運転手もプロとして遺族を火葬場まで送り届けることは当たり前のことです。寸志を渡したからといって急に運転がうまくなるわけでも無く、絶対に事故に遭わなくなるという保証はありません。

 

・寸志を渡すことによって逆効果を生んだ例もある

わたしが勤務していた田舎のほうで昔の葬儀の風習が色濃く残っている地域で実際にあった話ですが火葬場の職員が寸志を貰っていることによって仕事が雑になり、怠けだしたといったことがありました。寸志を貰うことが当たり前と勘違いをしはじめ、仕事をしなくても寸志が収入源になってしまい、仕事へのやる気がなくなり、仕事が雑になり……。仕舞いには葬儀社のスタッフを火葬場の事務所に呼び出して「今日の遺族から寸志を貰ってない。どうなっているんだ!」と言われたことも。あきれたの一言でした。あまりに頭にきたのでその地域の役場にチクりました。それから火葬場の使用案内のところに【火葬場職員への心付け等は一切お断り致します】と一文が付け加えられました。ちなみにですが、寸志を渡したからといって故人の遺骨がきれいに残るなんて事はありません。火葬場の作りにもよりますが、火葬場の職員にそんなことは出来ません。

 

・葬儀だけ特別なんて考えは無くした方が良い

よくよく考えればなぜ葬儀(結婚式)だからといってお金をわたして「これでよろしくお願いします」なんて話になるのかなと疑問に思います。他の業種の方と同じように仕事として葬儀を執り行うのは、なんら特別なことで無く当たり前のことです。葬儀会社で働いているスタッフの人も、老人ホームで働いてる介護士のかたも、スーパーで働いてる方も、一生懸命仕事をしている人です。葬儀会社のスタッフを特別扱いし寸志を渡すのはおかしいとわたしは思います。

 

・結論

寸志(心付け)は時代も変わり、現代では不必要と考えます。寸志を渡した方がいいのかな?と悩んでいるあなた!そんな必要ありません。渡そうと悩んでいるそのお金で故人様の好きな物を買ってお供えすることをオススメ致します。